身体が硬くでもヨガインストラクターになれる?


身体が硬いと「ヨガインストラクターに向いていないのでは?」と悩んでいる方は少なくありません。ヨガレッスンに通っても、インストラクターの多くは柔軟性が高く、身体が硬いとインストラクターになれないと尻込みしてしまうでしょう。実際はどうなのでしょうか?

身体が硬くてもレッスンを続ければ柔らかくなるため大丈夫

身体が硬い人がいきなりヨガスタジオに就職するのは難しいかもしれません。しかし普段からヨガレッスンを続けたり、初心者でもヨガインストラクター資格取得を目指したりしていけば、次第に身体の柔軟性は高くなります。

そもそも「身体が硬い」とは生まれ持った体質ではありません。柔軟性を高めるには、腹筋や殿筋が発達していなければなりません。普段から身体を使う機会が少なければ筋肉量も小さいため、身体の柔軟性がないのは仕方がないことです。

ヨガレッスンを続けていれば、必然的に筋肉は大きくなります。もともと身体が硬いと思っていた人でも、ヨガを続けるうちに柔軟性がアップするでしょう。ヨガは体幹が刺激され、周りの筋肉に無理をかけずに済むため、自然と柔らかくなります。

初級レベルのポーズが取れればOK

ヨガインストラクターは身体が硬くてもなれる、とはいっても基本的なポーズがとれないと、生徒さんに指導できません。インストラクターは見本となる立場で、初心者ができるポーズもとれなければ、指導者として活躍できないでしょう。

ヨガインストラクターになるための柔軟性は、初級レベルのポーズがとれるか?を目安にしてください。ヨガは基礎ができなければレベルアップは難しいです。初級レベルであってもポーズができれば、初心者向けの指導ができます。

身体が硬い人向けヨガインストラクターの存在が求められている

ヨガを実践しようと考えている人は、何も身体が柔らかい人だけではありません。身体が硬くて柔軟性を高めたいと考えている人や、身体の不調を改善するために通う人もいるでしょう。普段から運動をしていない方は身体が硬く、硬いせいで肩こりや腰痛を引き起こしています。

生徒さんの中には、身体の柔軟性アップを目的に通う方もいるため、ヨガインストラクターも身体が硬い人向けのニーズがあります。身体が硬いからといって、求められていないわけではないのです。

しかし身体が硬い人は自信がなく、ヨガインストラクターになる道を諦めるケースも少なくありません。本当は身体の硬いヨガインストラクターも求められているのに、必要性を理解していないために、人材が不足しているのが現状です。

身体が硬いヨガインストラクターの強み

身体が硬いインストラクターは、身体が硬いからこその強みがあります。柔らかいインストラクターと差別化することで、人気インストラクターになる可能性があるでしょう。

身体が硬い生徒さんの気持ちに寄り添える

ヨガレッスンを受ける方の中には、何度もレッスンを受けても柔軟性がアップしない方がいます。「このまま続けても柔軟性が上がるのだろうか?」と悩んでいる生徒さんがいても、身体が硬いインストラクターなら、気持ちに寄り添うことができます。

自分自身も身体が硬かった、今でも上級ポーズができないと伝えてあげれば、身体が硬い生徒さんは劣等感を持つ必要がなくなります。ヨガは一人ひとりが身体に向き合うもので、周りの人と比べるものではないのです。

ヨガのレッスンを続ける理由のひとつが、「指導者も身体が硬い」ことであれば、共感してくれるはずです。人は自分と似た境遇の人に親近感を抱きやすいため、身体が硬いヨガインストラクターは、初心者の気持ちをつかむ存在になりえます。

硬くても柔軟性を高めるコツを知っている

ヨガインストラクターの身体が硬くても、一定レベルまでは柔らかくなるはずです。柔らかくなるための努力も必要なため、柔軟性を高めるコツを身体で理解できています。またポーズひとつずつにもコツが必要で、身体全体を使ったポーズをとる指導ができるでしょう。

ヨガインストラクターで重要なこと

ヨガインストラクターに必要な要素は、身体が柔らかいことではありません。身体が柔らかくきれいなポーズをとることばかりに集中しても、人気インストラクターになれるわけではないのです。インストラクターは生徒さんに選ばれる存在なことを、忘れてはなりません。

ヨガはその人の身体に向き合うもの

初心者だとポーズを上手くとることに集中してしまいますが、本来のヨガは身体や心に向き合うものです。上手くポーズをとることを目標にしているわけではありません。ヨガは続けていれば、身体の不調が改善されたり、心に変化が現れたりします。変化が現れる過程こそ大切なのです。

ヨガは身体だけでなく精神にもアプローチしています。呼吸法や瞑想も取り入れているため、自分の内なる部分を見つめ直すことができます。身体が硬く上手くポーズがとれない方でも、呼吸法でリラックスはできるでしょう。ヨガインストラクターは、呼吸法や瞑想といった側面でも生徒さんをお手伝いできます。

教え方が上手い、話し方がいいほうが大切

ヨガインストラクターは、生徒さんから選ばれる立場にあります。繰り返しレッスンを受けたいと感じるインストラクターは、その人の人柄や教え方が評価されています。身体が硬くても初心者の立場で教えられる、話し方がよく心地いいなどの理由があるはずです。

ヨガレッスンは1人でやるものではなく、複数の人が集まってやります。同じ空間に目標とする人や、何となく心地いい人がいれば、ヨガを続けるきっかけにもなります。その場のエネルギーも生徒さんたちは敏感に察知しているため、多くの人に受け入れられるレッスンを目指してみてください。

身体が硬い人でもRYT200の講習についていけるのか?

身体が硬い人がRYT200の取得から始める場合、講習についていけるか不安だと思います。ヨガをほとんどやったことがない人でも、RYT200の講習はこなせるのでしょうか。

最低でも半年以上のヨガ経験がある人がおすすめ

RYT200の講座は、認定校によって募集要項が異なります。多くの場合RYT200の受講は、最低でも半年以上ヨガを続けた人が対象です。中には2~3年ヨガを実践した人向け講座もあるため、少なくとも「ヨガにまったく触れたことがない人」は対象外だといえます。

RYT200の対象者が限定されているとはいっても、募集内容に該当しない人が受けられないわけではありません。指定の期間ヨガを続けた人が望ましいのであって、別途相談を受け付けているところが多いようです。

半年以上のヨガスキルが必要な理由は、スクールでヨガの用語が登場するからです。ヨガの用語から指導してもらいたいなら、RYT200ではなく、初心者レベルの講座から受講をはじめてみてください。また基礎知識は本でも学ぶことができます。

基本的なポーズの名称くらいは覚えてから受講しよう

RYT200受講前に、ヨガの哲学から理論まで詳しく勉強する必要はありません。しかしポーズのレッスンに入ると多数の名称は出てくるため、基本的なポーズの名前くらいは憶えてから参加しましょう。

ヨガのポーズは基本的なものでも200種類あります。名前が付いていないものを含めると、10,000種類もあるといわれています。しかしRYT200の講座ですべてのポーズが出てくるわけではありません。できれば数種類~数十種類の名前を知っているとスムーズです。

ヨガのポーズは、多数の本が出ています。自分でも本を購入して、自宅で練習しておくと講座の内容が理解しやすいでしょう。本でヨガポーズを学ぶなら、次の本がおすすめです。

YOGAポーズの教科書

1冊で100ポーズが習得できる本です。ポーズは大きくて見やすい写真付きで、ポーズをとるときの工程や、注意する点が記載されています。初心者から上級者でも学べるポーズが掲載されているため、1冊持っておけば長く活用できるでしょう。

書籍名 YOGAポーズの教科書
著者 綿本彰
出版社 新星出版社
ポーズ数 100ポーズ
ページ数 192ページ
価格 1,760円

YOGAポーズ大全

1冊で127ポーズが掲載され、徐々にレベルアップができます。ポーズの理論も説明されているため、言葉でも理解ができるでしょう。写真は大きく見やすく、初心者でもできるポーズも載っています。ヨガインストラクターの愛用者も多い1冊です。

書籍名 YOGAポーズ大全
著者 久保 玲子 (監修), Satori Sankara
出版社 成美堂出版
ポーズ数 127ポーズ
ページ数 223ページ
価格 1,320円

基本的なポーズができれば講座についていくことはできる

身体が硬い人でも、初心者向けポーズが一通りできれば、RYT200の講座についていけます。柔らかいことがポイントではないため、安心してください。ヨガインストラクター養成講座は、生徒さんへ安全に指導する力を学んでいきます。

RYT200の試験でも模擬スクールをひらき、生徒さんに指導する様子が見られています。本人の身体が硬くてポーズができていなくても、適切な指導方法ができていれば合格は可能です。難易度の高いポーズは、長くヨガを指導している方でもできないことがあります。

まとめ

身体が硬い人がヨガインストラクターになりたいと思っても、教える自信がなく諦めていた方も少なくないでしょう。しかし身体の硬さは、上手く身体を使えていない証拠だったのです。ヨガレッスンを続けて筋肉量がアップすれば、身体が硬い方でもある程度の柔軟性は出てきます。また身体が硬い経験があるヨガインストラクターは、初心者の気持ちに寄り添い、よい指導者になる方も少なくありません。身体が硬くても自信を持って、ヨガインストラクターを目指してみましょう。