ヨガインストラクターになるのに年齢は関係がある?

「インストラクター」と聞くと、体を動かす仕事のため、若い人しか務まらない仕事だと感じてしまうかもしれません。実は、ヨガインストラクターに年齢制限はありません。50代や60代でも働けますし、中には70代や80代の方がインストラクターの仕事を続けているケースもあります。

最も多いのが30代~40代のケース

ヨガインストラクターの年齢層で多いのが、30代~40代です。フィットネススタジオやエクササイズジムだと、体力が必要なため20代の方が多くいます。しかしヨガは何歳になっても実践できるため、意外とヨガインストラクターの年齢層は高めです。

30代や40代のインストラクターが多い理由は、生徒さんたちも同じ年齢層が多く、共感が得られやすいからかもしれません。30代以降は体力の低下を感じやすく、体の不調を抱えてヨガを取り入れる方も多くいます。インストラクターが同じ年齢層のほうが、自分もヨガで体調不良から抜け出した方も少なくなく、「ヨガのよさを伝えたい」という思いがあるからなのでしょう。

何歳になってもヨガインストラクターを目指せる

ヨガ自体に年齢制限はなく、新たに生み出されたヨガもあるため、何歳になっても実践できます。激しい動きは少なく、ゆったりとした動きなら、体力の低下が気になる方でも続けられるでしょう。

しかし趣味と仕事では、意味が違うと思うかもしれません。1日に数回のレッスンをこなすのは、体力がない方にとって辛いと感じる可能性はあるでしょう。それでも毎日ヨガインストラクターとして指導していれば体力も付くため、ヨガの種類を選べば年齢制限はありません。

シニアヨガのニーズもあるため年齢を重ねた人にもおすすめ

最近はヨガのニーズも広まってきて、高齢者でもできるシニアヨガも登場しています。高齢者向けヨガは激しい動きが少なく、力や体力がない方でも実践できます。指導者が同じ世代なら共感も得られやすいため、年齢を重ねた方でもヨガインストラクターとして活躍できるでしょう。

年齢を重ねた人が働ける職場について

年齢を重ねた方がヨガインストラクターとして働くなら、求められている職場を知ることが大切です。どのような職場で働けるか知っておきましょう。

病院などで予防医学を伝える職場

病院でもヨガを取り入れるところが増えています。ヨガは年齢を問わず、体力がない人や運動経験がない初心者でも取り入れることができます。病気をしている方や、怪我をしている方でも、実践できるポーズがあるほどです。

医療機関がヨガを取り入れる目的は、リラックスや血行を高めるためです。病気や怪我をしていると生活に制限が出やすく、体を動かせずストレスが溜まっていきます。ヨガは瞑想の要素も持ち合わせているため、呼吸法を指導するだけでもリラックス作用が期待できるでしょう。ストレスは免疫力低下を招きやすく、病院でヨガを指導すれば、予防医学や病気の治りをスムーズにするために役立ちます。

老人ホームやデイサービスなど高齢者向けヨガ

近年は高齢化社会が問題となり、シニア世代がどう元気に暮らしていけるかが課題です。高齢者が体を動かさないと体力がどんどん落ちてしまい、寝たきりも引き起こすかもしれません。そこでヨガを通して運動不足を解消すれば、体力アップや気分転換によいでしょう。老人ホームやデイサービスでもヨガを指導する施設は増えているため、50代や60代のヨガインストラクターが就職するチャンスがあります。

シニアヨガがあるスタジオへの就職

年齢を重ねた方がヨガスタジオへ就職したいと思っても、年齢制限が設けられているケースは少なくありません。年齢制限がなくても、若い方を対象にしたスタジオだと採用は厳しいでしょう。年齢を重ねた方が狙いたいのは、シニアヨガクラスがあるスタジオです。シニアヨガがなくても生徒さんの年齢層が高いクラスがあれば、採用される可能性があります。

瞑想専門などリラックス向けヨガスタジオ

年齢を重ねるとやはり体力の低下が気になるため、体を大きく動かさないヨガスタジオを狙いましょう。瞑想に力を入れているスタジオなら、ヨガインストラクターの年齢は問いません。瞑想は寝たままや座ったまま実践ができて、言葉で上手く生徒さんを導いていける能力が求められています。

管理職など違う分野での就職もあり

ヨガインストラクターの方がある程度の年齢になったら、管理職へのシフトチェンジもおすすめです。スタジオで働いた経験を活かし、スタッフの育成や管理に働き方を変えていきましょう。若い方は若い方の働き方があり、年齢を重ねた方は今までの経験を活かせます。またある程度ヨガスタジオで働いたら、独立開業をして経営者になる道を選ぶのもいいかもしれません。

ヨガインストラクターを目指す場合の注意点

若い方と違って年齢を重ねた方は、ヨガインストラクターを目指す場合に注意点があります。ずっと働き続けられるか考えながら、転職を目指してみましょう。

費用や時間的ロスを考慮する

ヨガインストラクターに公的な資格はありませんが、資格取得から始めるなら、それなりの時間と費用のロスを考慮しなければなりません。知名度の高い全米ヨガアライアンスのRYT200なら、200時間の学習が必要です。費用も40~60万円程度のスクールが多く、金銭的な負担も考えておきましょう。

生徒さんに選ばれる努力や独自の魅力が必要

ヨガインストラクターの仕事は、生徒さんにヨガを指導する役割です。初めてヨガを実践する方や、体や心に不調を抱えている方も来ます。ヨガは1日や2日で効果が見えるものではないため、生徒さんに続けてもらう努力をしなければなりません。ヨガインストラクターは生徒さんとスキンシップを高めながら、続けやすい雰囲気づくりや、声がけが必要です。さらに生徒さんに選ばれるため、接客法も学ばなければならないでしょう。

年齢を重ねても必ずしも給料アップするわけではない

ヨガインストラクターの収入は、その人のスキルによって左右します。たくさんの生徒さんを呼びこむ人柄がある方や、教え方が上手い人でないと給料アップは見込めません。ただ年齢を重ねれば給料アップできる職場ではないことは覚えておいてください。もちろん年齢が上だからといって高い給料が見込めるわけではありません。

新たに資格取得は必要なのか?

ヨガインストラクターになるなら、資格取得は必須なのか気になるでしょう。スタジオによっては研修制度を設けているところもあるため、資格取得は必須ではありません。しかし年齢的な問題を抱える方は時間のロスも気になるため、その人の希望に合わせて資格を取っておくか考えてみましょう。

働きながら知識を身につけていく方法も

前職の知識が生かせるなら、ヨガインストラクターの資格を取得しないで、いきなり就職する方法もあります。研修制度があるスタジオに入社すれば、ゼロからのスタートでも問題ありません。働きながらヨガの知識を身につければ、時間的ロスが少なく、早くからヨガに触れられるメリットがあります。

最初から民間の資格取得を目指す方法もあり

就職してからヨガの知識を身につける方法だと生活に支障がある方は、最初から資格取得を目指してみましょう。とくに家庭を持つ方がヨガインストラクターを目指す場合は、仕事も資格取得も一緒に目指すことが難しい場合があります。家事も続けながら資格も得たいなら、1つに絞ったほうがいいでしょう。

ヨガインストラクターの資格で目指せるのは、次のようなものがおすすめです。

全日本ヨガ協会


日本中で知名度の高い資格を取得したい方におすすめの団体です。協会の認定校で講座を修了すれば、AJYAライセンス取得のための試験が受けられます。取得できる資格は3種類です。

  • 3級 マスター
  • 2級 アドバンス
  • 1級 シニア

資格を得るとAJYA認定校で指導できるようになります。

日本ヨガインストラクター協会


同じように日本のヨガ団体で、認定スクールのプログラムを終了すると、資格試験が受けられるようになります。資格はJYIAライセンスです。

  • 3級 マスター
  • 2級 アドバンス
  • 1級 シニア

JYIAの認定校でヨガインストラクターをするなら必須の資格です。

全米ヨガアライアンス


世界的に知名度が高いヨガインストラクターの資格が、全米ヨガアライアンス発行の資格です。日本でヨガインストラクターを目指す方も、RYTの資格取得を目指している方は多いです。まずは200時間の講習を受けるRYT200から取得を目指しましょう。

RYTは世界的に通用するヨガインストラクターの資格です。転職時の履歴書にも、RYTの資格が記載できます。RYTは一般の人に教える資格で、さらなるレベルアップを希望するなら、先生の先生に指導するE-RYTもあります。RYTを取得してから2年以上、1,000時間以上の指導経験が必要です。

ジャパンヨガカレッジ


受講料が手ごろな資格を取得したいなら、ジャパンヨガカレッジの資格がおすすめです。認定校のヨガインストラクター養成講座を修了すれば、J-YOGA認定インストラクター資格が得られます。受講料は初級コースなら42,000円で、10時間で終了します。

まとめ

ヨガインストラクターになるのに、年齢制限はありません。体を動かす仕事の中でも幅広い人が活躍している仕事で、シニア層のニーズもあるため、年齢を重ねても仕事が続けられるでしょう。就職や資格取得は何歳でないといけない理由はないため、いくつになってもチャレンジできます。年齢を言い訳にせず、何歳でもヨガインストラクターを目指してみましょう。